レンタルオフィスの歴史を紐解いてみる

日本におけるレンタルオフィスの歴史は欧米のそれと比べるとまだ浅く、まだ15年足らずだと言われています。そもそもレンタルオフィスという概念自体が1970年代後半にオーストラリアで出来上がった、といわれていますが、この頃はまだ「1つの場所に複数のテナントが入居する、サービス付きのオフィス」という程度に過ぎませんでした。現在のように、「スタッフが常駐していて入居者が必要とするあらゆる什器類やビジネスサービスを提供する」という形態に発展するのは1990年頃の話しになります。後に海外でビジネスを行っていた業者が日本に進出し、レンタルオフィスというものを日本に広めていくことになります。この業界の歴史は外資系企業の主導で進められたわけです。日本では70年代頃には既にいわゆる「机貸し」と言われるビジネスモデルは存在していた、と言われています。これは会社や事務所の中にある1つ(もしくは一角)の机を希望者に貸して賃料をもらう、というものです。場合によっては専用の電話回線を引いてくれることもあったようです。これは今でも一部の士業事務所で行われていたりします。例えば新人弁護士がベテラン弁護士の事務所の机を借り、事務所とさせてもらうような形です。前述のようにレンタルオフィスビジネスを行う外資系企業が日本に進出してきてからは、日本の企業も外資系型の「オフィスの場所」「オフィス設備」「スタッフによる人的サービス」の3つをセットで提供するようになってきており、その市場規模は拡大を続けています。日本のみならず世界中でレンタルオフィスというビジネスサービスが拡大する要因となったのは「IT技術の発達」があったからです。90年代半ばから後半にかけてはWindows95の登場と相まって1人1台パソコンを持つ時代に突入し、一般の人でもインターネットが利用出来る環境が整いました。2000年代に入ってからはモバイルパソコンの小型化とバッテリーの省電力化が進んだこと、ADSL回線や光回線の整備によって大容量通信が格安で提供されるようになったこと、携帯電話が日本全国どこでも繋がるようになったこと、等の理由によって、業種によっては固定されたオフィスにこだわる必要なく、パソコンと携帯電話、そして通信環境が整えばどこでも仕事が出来るようになりました。その結果、ビジネスのマイクロ化が進み、かつてのように大きなオフィスで大勢のスタッフを雇わなくても収益性の高いビジネスが展開出来るようになったわけです。そのようなビジネスのしかたにレンタルオフィスはマッチしているために市場は成長を続けていると言え、その歴史はこれからもまだまだ続いていきそうです。